丸亀城 大手二の門
丸亀城の正面玄関となる大手口の外門として建てられた門で、国の重要文化財に指定されている大手二の門を紹介します。
大手二の門
大手二の門(おおてにのもん)は、丸亀城の正面玄関となる大手口(おおてぐち)の堀端に建てられた門の一つで、国の重要文化財に指定されています。大手二の門は、3つの屋根を持つ「高麗門(こうらいもん)」と呼ばれる構造で、1670年(寛文10年)、当時の城主である京極氏によって建築されました。
丸亀城には、周囲を巡るように内堀(うちぼり)が残り、その内堀の北側に架けられた石橋の先に大手口があります。丸亀城の大手口は、四方を囲まれた枡形(ますがた)に、出入り口となる虎口(こぐち)を二つ設けた「枡形虎口(ますがたこぐち)」と呼ばれる構造です。石橋を渡って、最初にくぐるのが大手二の門(おおてにのもん)です。大手二の門の両側には、狭間(さま)がもうけられた狭間塀があります。
狭間(さま)とは、城外のようすを確認したり、敵に対する攻撃用の小窓のこと。三角・四角・丸などの形状があり、丸亀城大手口の狭間塀には、三角(鉄砲狭間)・四角(矢狭間)が配置されている。
大手二の門の正面に立つと、亀山(標高約66メートル)に築かれた天守を見ることができます。小さいながらにも、その姿に威厳と風格が感じられます。季節や時間帯によって、異なる姿が見られるので、ぜひ立ち止まって見上げてください。
大手二の門は、正面から見ると二本の本柱に切妻造り(きりづまづくり)の屋根をかけた棟門(むなもん)と呼ばれる構造に見えますが、内側に控柱(ひかえばしら)が2本あり、左右の本柱・控柱それぞれにも切妻造りの屋根をかけた高麗門(こうらいもん)と呼ばれる構造です。内側にせり出した二つの屋根は、開いた扉の雨避けとして機能しています。
切妻造り(きりづまづくり)とは、前後のみの傾斜を持つ屋根の形のこと。
屋根は本瓦葺き(ほんがわらぶき)で、丸瓦には京極家の家紋である「平四つ目結(ひらよつめゆい)」が描かれています。
本瓦葺き(ほんがわらぶき)とは、平瓦を並べ、その隙間を埋めるように丸瓦を葺く手法のこと。見た目の美しさと、継ぎ目から雨が侵入するのを防ぐ効果がある。
大手二の門と左右の狭間塀にかけられた瓦屋根が複雑に入り組み、重厚かつ美しい姿が、強い存在感を放っています。
大手二の門は、主に欅(けやき)材が用いられた素木造り(しらきづくり)で、扉には、青銅の金具が施されています。経年変化により緑青(ろくしょう)が生じ、青緑色になった金具と褐色の木材が独特の雰囲気を醸しています。
大手二の門の左右にある狭間塀には、三角の鉄砲狭間(てっぽうざま)と長方形の矢狭間(やざま)がそれぞれ配置されています。また、狭間塀の手前には、雁木(がんぎ)と呼ばれる石の階段があり、上って狭間をのぞくことができます。
狭間に開閉できる扉がついているのは珍しく、金属製の取っ手を使って、開け閉めすることができます。現在狭間からは、内堀に沿って走る京極通りや丸亀市民広場を見ることができます。
開閉できる扉と金属製の取っ手です。
狭間塀には5つの狭間があり、そのうち、1つが矢狭間です。
大手二の門をくぐった先には、四方を囲まれた枡形があり、右手側に大手一の門が見えます。丸亀城の枡形は、南北十間(約18メートル)、東西十一間(約20メートル)の大きさがあり、城の威厳を示すために標準的なものより大型化したと言われています。[→大手一の門の紹介][→枡形の紹介]